Xiaomiより新興国向けスマホのRedmi 12C(以下12C)が発売されました。
新興国向けスマホは、安価で購入できる代わりに性能が低くなっています。
XiaomiのRedmiブランドは割安感のあるスマホが多くありますが、Redmi 12Cは価格に見合う性能になっているでしょうか?
Redmi 12Cの良い点
Redmi 12Cの悪い点
円安の現在でも高いと思われる価格
4GB/128GBモデルで23,800円になっていますが、性能から妥当な価格は19,800円と言ったところでしょう。
ここからは、スペック表の項目別に解説していきます。
外観
ディスプレイ面は、主流のパンチホールではなくウォータードロップノッチを採用しています。
一世代前のウォータードロップノッチを採用することでコストを抑えているのでしょうが、最新機種には見えません。
背面はカメラと指紋認証があります。
指紋認証の位置がカメラの近くにあり、見たことのない配置です。
指紋認証が左に寄っているため、スマホの持ち手次第で使い勝手が代わってくるでしょう。
指紋認証の位置は斬新に思えますが、背面指紋認証を搭載した時点で古く見えてしまいます。
本体色は、グラファイトグレー・ミントグリーン・ラベンダーパープルの3色で構成しています。
ホワイト系の色が無いのが残念で、珍しいパープルを採用しているところが斬新です。
スペック
OPPO Pad Air | |
---|---|
本体 | |
SoC | Snapdragon 680 |
サイズ | 245.1×154.8×6.9mm |
重量 | 440g |
ディスプレイ | |
ディスプレイサイズ | 10.3インチ |
パネル種 | IPS液晶 |
解像度 | 1200×2000 |
リフレッシュレート | 60Hz |
タッチサンプリングレート | 120Hz |
記憶領域 | |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB |
micro SD | あり(最大512GB) |
カメラ | |
背面メインカメラ | 8MP |
前面カメラ | 5MP |
ネットワーク | |
WIFI | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.1 |
GPS | なし |
機能 | |
生体認証 | 顔認証 |
防水/防塵 | なし/なし |
イヤホンジャック | なし |
スピーカー | クアッド |
バッテリー | |
バッテリー容量 | 7100mAh |
充電速度 | 18W充電 |
ポート | USB TypeC |
価格 | 37,800円 |
付属品
ACアダプター・USB ケーブル・SIM取り出し用ピン・クイックスタートガイド・保証に関するお知らせ
保護ケースが無く、保護フィルムも付属していないかも知れません。
それ以外に必要なものは揃っていますが、ケースとフィルムはコストカットのために付属していないのでしょうか?
必要なものが付属しているXiaomiにしては、らしくないように思えます。
本体
性能で見劣るSoC
MediaTek Helio G85自体が2年以上前に発表したSoCであり、発表当時はミドル機に見合う性能でしたが、ミドル機の性能が向上してきている昨今では、物足りないSoCになっています。
AnTuTuベンチマークVer.9で、約25万点のスコアです。
ゲーム以外の用途でも困る場合がある性能のため、用途に応じているかを考える必要性があります。
ブラウザや動画鑑賞はできますが、原神のようなゲームは設定を下げてもスムーズな動作が期待できず、簡単なゲームのみが動作するものと思ったほうが良いでしょう。
妥当な本体サイズで若干軽めの重量
6.71インチのディスプレイを搭載しているため、妥当なサイズになっています。
しかし、スマホのサイズとしては大きめの本体となるため、手の小さい人には向きません。
大きさの割に本体重量が200グラムを切っており、Redmiシリーズにしては軽めの本体になっています。
2年以上前に発表したミドルクラスのSoCを採用することで、最近のマルチに使えるミドル機ではありません。
本体サイズに対して本体重量が軽いことが、唯一のメリットと言えるでしょう。
ディスプレイ
Xiaomiにしては大きめのディスプレイ
6.67インチが主流のXiaomi製スマホとしては、大きめのディスプレイサイズになっています。
6.67インチの機種と並べてみると分かるぐらいの違いがありますが、実際に使用するとディスプレイの差を体感しにくいです。
6.71インチは画面が大きくて見やすいですが、本体サイズが大きくなるデメリットがあります。
残念な液晶パネル
Xiaomi製スマホは、ミドル機でも妥協のない有機ELパネルを採用している機種が多いですが、12Cは残念ながらIPS液晶パネルを採用しています。
液晶パネルは有機ELパネルと違いバックライトを搭載しており、全体的に白っぽく表示されます。
そのため、色の鮮やかさでは有機ELパネルに劣ります。
新興国向けのため、IPS液晶パネルを搭載することは仕方ないでしょう。
低い解像度
フルHD以上の解像度が当然になっている昨今のスマホですが、12CはHD解像度を採用しています。
ブラウザを使用する際に、ディスプレイに表示する情報量が少なくなることが、解像度が低くなる一番のデメリットです。
ただし、6.7インチのディスプレイサイズの場合は、フルHDからHDへ解像度が下がっても、画質が荒くなったようには見えないでしょう。
残像が見えるリフレッシュレート
90Hz以上が標準になりつつあるフレッシュレートですが、60Hzの場合は残像が見えます。
特に、高リフレッシュレートに慣れていると残像は顕著で、残像が気になると思える場合は、12Cの購入を控えたほうが良いでしょう。
高くないと思えるタッチサンプリングレート
タッチサンプリングレートは120〜180Hzだと思えます。
120Hzの場合は連射が必要なゲームや、複数の指を使うゲームに不向きです。
SoCの性能が低いため、ゲーム目的では止めておいたほうが良い機種になっています。
ディスプレイが大きだけで、その他は見劣る内容になっています。
記憶領域
メモリーとストレージが選べる使用も一択
3GB/64GBモデルと4GB/128GBモデルを選択できますが、4GB/128GBモデル一択です。
メモリ3GBでは容量不足になり、ストレージから2GBをメモリーとして使用できますが、ストレージからメモリーへ2GB使用すると、実際使用できるストレージ容量が50GBぐらいとなり、ストレージの圧迫に繋がります。
4GB/128GBモデルは、ストレージから3GBをメモリーとして使用できるため、メモリーは7GBで使用可能です。
メモリーで3GB使用しても、約110GBの空き容量があるため、3GB/64GBモデルより条件が良くなります。
3GB/64GBモデルの価値はありません。
カメラ
画素数だけのメインカメラ
新興国向けと言うこともあり、カメラの画質には期待できません。
Xiaomi製の多くの機種は、画素数が高いだけで画質が平凡になる傾向にあり、12Cの画質も平凡な画質と思えます。
画素数が低い前面カメラ
メインカメラより期待できない前面カメラです。
カメラ自体の性能が低く、チューニングに期待するしかありません。
ネットワーク
4Gは国内4キャリア対応
日本国内向けと言うこともあり、国内4キャリア・サブブランド・MVNOの利用で困ることは無いでしょう。
ただし、4Gには対応していますが、5Gに非対応なため、無いとは思いますが5G限定エリアでは利用できません。
11AX非対応のWIFI
11AXに非対応ですが、11ACに対応しているため、WIFIでの通信時に遅いと思えることは無いでしょう。
5.0以上対応のBluetoothで十分
5.1以上のBluetoothはメリットが少なく、5.0以上に対応していると困ることはありません。
12CはBluetooth5.1に対応しているため、Bluetoothで困ることは無いでしょう。
nanoSIMでデュアル構成
eSIMでは無く、物理SIMで構成されています。
DSDVで使用する際は、日本国内全てのキャリアで利用可能です。
日本国内での利用に困ることはありません。
機能
時代遅れの背面指紋認証
背面指紋認証と言うだけで、最新機種と思えない印象を与えますが、認証速度と認証精度の高い点は唯一のメリットです。
おサイフケータイは利用不可
Felica非搭載のため、おサイフケータイは使用できません。
安さを売りにしていうる新興国向けのため、仕方がない点だと言えるでしょう。
残念なモノラルスピーカー
Xiaomiの機種としては珍しくモノラルスピーカーを採用しています。
コスト削減のため、スピーカーに関しても仕方がないと言えるでしょう。
削れるところは削り、必要最低限の機能にしています。
バッテリー
大容量バッテリーを搭載
5000mAhの大容量バッテリーを搭載しています。
ミドル機クラスになると、5000mAhぐらいの容量を搭載している機種が多く、12Cも例外ではありません。
大容量のバッテリーを搭載しているため、無理な使い方をしない限りは、フル充電状態で1日は余裕でバッテリーが持ちます。
充電速度が遅すぎる
近年の機種で見たことがない10W充電を採用しています。
バッテリー容量が多いため、満充電に約150分必要です。
近年は悪くても20W前後の充電速度になっているため、10Wの充電速度は大きなデメリットになります。
まさかのmicroUSB端子
Androidスマホでは、USB TypeCが標準となっている時代に、まさかのmicroUSBを搭載です。
USB端子を変更することでコストが下がるとは思えないため、コスト削減と言うより、microUSB端子の在庫処分で使用しているように思えます。
今の時代に、microUSBを使用しているスマホが出てくる事が残念です。
バッテリー容量に対して充電速度が遅く、数年前に絶滅したmicroUSBを使用しています。
総括
新興国向けと言うこともあり、4年ぐらい前のミドル機になっています。
簡単な用途以外で利用することは難しく、2年ぐらい前に発売した機種から乗り換えると、不満に思えるでしょう。
この性能なら、ブラウザでも引っかかりが発生すると思われるため、ほぼスマホを使用しない人には向くかもしれません。
3GB/64GBモデルの意味がなく、Xiaomi公式でも購入できません。
購入する場合は、4GB/128GBモデル一択になります。