GoogleよりGoogle Pixel 7 Proの後継機になるGoogle Pixel 8 Proが発売中です。
ここではGoogle Pixel 8 Proのスペックを解説しながら、どのような機種なのかを解説しています。
Google Pixel 8 Proの良い点
Google Pixel 8 Proの悪い点
価格に見合う価値はなし
カメラに力を入れている機種ですが、カメラ以外の性能は高くなく、価格に見合う機種ではありません。
ここからは、スペック表の項目別に解説していきます。
外観
センターパンチホールを採用しており、横並びのカメラが特徴ですが、Pixelシリーズ標準のデザインのため、Pixelシリーズとしての特徴はありません。
Bay・Obsidian・Porcelainの3色で構成しており、Bayが特徴的な色です。
スペック
Google Pixel 8 Pro | |
---|---|
本体 | |
SoC | Google Tensor G3 |
サイズ | 162.6x76.5x8.8㎜ |
重量 | 213g |
ディスプレイ | |
ディスプレイサイズ | 6.7インチ |
パネル種 | 有機EL |
解像度 | 2992×1344 |
リフレッシュレート | 1-120Hz |
タッチサンプリングレート | 不明 |
記憶領域 | |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB |
micro SD | なし |
カメラ | |
背面メインカメラ | 50MP(f/1.68) |
望遠カメラ | 48MP(f/2.8)/光学5倍 |
超広角カメラ | 48MP(f/1.95) |
前面カメラ | 10.8MP(f/2.2) |
ネットワーク | |
3Gバンド | 1/2/4/5/6/8/19 |
4Gバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/13/ 14/17/18/19/20/21/25/ 26/28/29/30/38/39/40/ 41/42/46/48/66/71 |
5G Sub6 | 1/2/3/5/7/8/12/20/25/ 28/30/38/40/41/66/71/ 77/78/79 |
WIFI | 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.3 |
SIM | nanoSIM/eSIM |
機能 | |
生体認証 | 顔認証/画面内指紋認証 |
防水/防塵 | IPX8/IP6X |
イヤホンジャック | なし |
Felica | あり |
スピーカー | ステレオ |
バッテリー | |
バッテリー容量 | 5050mAh |
充電速度 | 30W充電 |
ワイヤレス充電 | 23W充電 |
ポート | USB3.2 TypeC |
価格 | 159,900円/169,900円/ 189,900円 |
付属品
1 m USB-C® – USB-C® ケーブル(USB 2.0)・クイック スイッチ アダプター・SIM ツール
付属品が少ないGoogleの標準仕様です。
ACアダプター・本体カバー・保護フィルムを必要に応じて別途用意する必要があります。
本体
高性能なSoCを搭載
AnTuTuベンチマーク Ver.9で約92万点のスコアがあり、高性能なSoCを搭載しています。
マルチに使えるSoCを搭載しており、一部ゲームを除き高画質で遊ぶことができますが、SoCの発熱量と冷却性能次第で動作の安定性が変わります。
小さめの本体も厚みがある
6.7インチディプレイを搭載している他機種より本体サイズは小さいが、0.2ミリほど厚くなっています。
近年は、大型ディスプレイを搭載して画面占有率を高くすることで小型化が進んでおり、Google Pixel 8 Proもこれに該当します。
重い本体重量
213グラムの本体重量は本体サイズに対して重いです。
Googgle Pixelシリーズの本体重量は重めの傾向にあり、Google Pixel 8 Proのサイズだと200グラムぐらいが妥当です。
マルチに使えるSoCを搭載して、小さめのサイズに重い本体です。
ディスプレイ
好みで分かれる大型ディスプレイ
近年のスマホは大型化傾向にあり、Google Pixel 8 Proの6.7インチディスプレイは珍しいサイズではありません。
ディスプレイを大型化することで見やすくなるメリットがあり、本体が大きくなるデメリットもあります。
ディスプレイサイズと本体サイズはユーザーの好みで意見が分かれるため、どちらが良いかは分かりません。
当然の有機EL
ハイスペック機に有機ELパネルは当たり前になっており、Google Pixel 8 Proも有機ELパネルを搭載しています。
有機ELパネルは液晶パネルと違いドット単位で発光するため、バックライトで照らす必要がありません。
そのため、バックライトによる白っぽさがなく、鮮やかな発色になります。
高輝度で長時間使用するとディスプレイが焼き付く可能性があり、この点が有機ELパネルのデメリットです。
高解像度も恩恵は少ない
スマホの解像度は2400×1080が主流で、Google Pixel 8 Proは2992×1344の解像度を採用しています。
一般の機種より解像度が高くなっていますが、6.7インチディスプレイでは解像度の違いが分かりにくく、高解像度のメリットがありません。
高解像度には消費電力が大きくなるデメリットがあり、高解像度のメリットよりデメリットの方が大きいです。
可変リフレッシュレートで省電力
1Hz単位の可変リフレッシュレートを採用しており、用途に応じて最適なリフレッシュレートが設定され、リフレッシュレートによる消費電力も最適化されるメリットがあります。
大型ディスプレイに高解像度も恩恵が少なく、可変リフレッシュレートで消費電力を抑えています。
記憶領域
オーバースペックのメモリー容量も・・・
現状のメモリー容量は6GBで十分ですが、今後のアップデートで8GBは必要になります。
12GBのメモリーを搭載しているGoogle Pixel 8 Proは現状ではオーバースペックですが、7年間のセキュリティアップデートに対応しており、7年後はメモリー12GBが標準になっているかもしれません。
セキュリティアップデート対応期間はメモリーで困ることが無いと思われ、十分なメモリー容量を確保しています。
3種類のストレージ容量から選べる
128GB〜512GBまでのストレージ容量を選べます。
128GBでも十分と思える場合でも、microSDが使用できないため256GBを推奨しますが、512GBは特殊な使い方をしない限り必要になる容量ではありません。
十分すぎるメモリー容量に、ユーザーの用途に応じて選べるストレージ容量です。
カメラ
平凡なメインカメラ
50MPの画素数があるメインカメラは特筆する点がなく、F値もよく見かける値であり、ハイスペック機では当然の性能になっています。
高画素の望遠カメラを搭載
48MPの光学5倍カメラを搭載しています。
メインカメラで望遠撮影を行うとデジタル処理で拡大を行い、拡大すればするほど画像が荒くなりますが、光学望遠レンズで撮影を行うと、光学望遠が対応している焦点距離までは画像が荒くなりません。
例えば、標準20mmで撮影できる場合、光学5倍は100mmまでデジタルズームを使用せずに撮影が可能で、20mm〜100mmはレンズのみの撮影のため画像が荒くなりません。
20MP以下の望遠カメラを搭載する機種が多く、Google Pixel 8 Proは48MPを搭載することでメインカメラと遜色のない画質が期待できるでしょう。
高画素の光学5倍に対応しているGoogle Pixel 8 Proは、優れた望遠カメラを搭載しています。
超広角カメラも手を抜かない
超広角カメラを搭載している多くの機種が20MP以下の画素数しかなく、Google Pixel 8 Proは望遠カメラと同じ48MPの画素数があり、F値もロースペック機のメインカメラ並みになっています。
残念すぎる前面カメラ
10.8MPの前面カメラを搭載しており、よくある前面カメラです。
高性能な背面カメラに見合わない前面カメラの性能のため、画質を比較すると悪く思えるでしょう。
高性能な背面カメラの中でも、光学5倍の望遠カメラは特筆する性能です。
背面カメラの性能が高いだけに、前面カメラの性能が残念に思えます。
ネットワーク
日本国内で困ることなし
日本国内全てのキャリアで、4G・5Gが利用できます。
11AXに対応したWIFI
11AXに対応しており、11AX対応ルーターに接続すると高速通信が可能です。
11AX非対応ルーターでも、11AC対応ルーターを所持している場合は無理に購入する必要がなく、11ACでも十分な速度を得ることができます。
11AC非対応ルーターを使用している場合は、11AX対応ルーターに代えると実行速度で2倍以上の違いがあります。
Bluetooth 5.3とeSIM
Bluetoothの最新規格は5.4ですが、5.4対応のメリットはなく5.3で十分です。
最近主流のeSIMと物理SIMに対応しており、複数のSIMをスマホの操作で切り替えられるeSIMは便利ですが、特殊な用途なため、SIM発行が速いぐらいのメリットしかありません。
日本国内の使用で困ることがなく、高速通信の11AXにも対応しています。
メリットの少ないeSIMにも対応しており、時代の流れに乗っている感じです。
機能
デザインに優れた画面内指紋認証
画面内指紋認証と顔認証に対応しており、顔認証で困るような問題はありません。
認証精度と認証速度が他の指紋認証に劣る画面内指紋認証は、本体カバーを取り付けた際に指紋認証部が剥き出しにならないデザイン性の良さがあります。
利便性かデザインで意見が分かれる指紋認証は、ユーザーの好みとしか言えません。
完全防水・防塵に対応
防水・防塵供に最高の等級になっており、完全防水・防塵に対応しています。
完全防水は水没で壊れることはありませんが、真水限定のため汚水やお湯には対応していません。
粉塵が舞う環境下でも内部に粉塵が侵入しない完全防塵です。
おサイフケータイが使える
FeliCaを搭載しているため、iDやQuickPayのようなタッチ決済が利用でき、VisaタッチやMasterコンタクトレスのようなタッチ決済にも対応しています。
ステレオスピーカーは残念
スピーカーを1基搭載する、疑似ステレオに対応しています。
スピーカー2基のステレオと違い、受話部から音声が流れる疑似ステレオは音に違和感があり、完全なステレオより音質が劣ります。
Google Pixel 8 Proはハイスペック機で高価な機種のため、スピーカーにも拘って欲しかったです。
日本国内で販売しているハイスペック機でよく見かける仕様です。
デュアルスピーカーでない点が残念で仕方ありません。
バッテリー
大容量バッテリーを搭載
ハイスペック機は消費電力が高くなる傾向にあるため、大容量バッテリーが必要です。
Google Pixel 8 Proは5050mAhのバッテリーを搭載することで稼働時間が長くなっていますが、バッテリー容量が増えると本体重量が重くなるデメリットがあります。
バッテリーに見合わない充電速度
30W充電に対応しており、フル充電に約80分かかります。
ハイスペック機に見合わない充電時間であり、最低でも1時間は切っていて欲しかったです。
有線充電より少し遅いワイヤレス充電
有線充電より7W遅くなるワイヤレス充電のため、有線充電より約30分フル充電に多く時間が必要になります。
供に遅い充電速度であり、充電時間が少し長くなっても良い場合は、ワイヤレス充電をメインに使用するのも1つの手段です。
利用頻度の少ないワイヤレス充電を、Google Pixel 8 Proでは有効活用できます。
大容量バッテリーに遅い充電速度はバランスが悪く、最低でも60W充電は欲しかったです。
総括
特筆する点が背面カメラのみで、光学5倍望遠カメラが目立っています。
背面カメラは性能が高くアピールポイントになりますが、背面カメラ以外は平凡です。
128GBモデルが15万円台の高価な機種になっており、背面カメラが優れているGoogle Pixel 8 Proに見合う価格ではなく、円安を考慮しても10万円を切っているべき性能です。
カメラに拘らなければ他メーカーで似たような機種がGoogle Pixel 8 Proより安価であり、そちらを選択することをお勧めします。
性能に見合う価格ではなく、コスパ最悪の機種です。