Xiaomi製グローバル版の最上位機種になるXiaomi 13 Ultraのスペック解説です。
日本では発売されない機種の性能はどのようなものでしょう。
※グローバル版は技適未取得のため、日本国内での使用は電波法に抵触する可能性があります。
Xiaomi 13 Ultra(Global) の良い点
Xiaomi 13 Ultra(Global) の悪い点
価格に見合うが購入先が難点
価格に見合う性能と言えなくもなく、カメラ特化のハイスペック機としては良い機種です。
AliExpressではショップでROM焼きを行った機種しか販売されておらず、ROMの信用が乏しいように思えます。
ショップROMに抵抗がある場合は、チャイナ版を購入して自身でROM焼きを行う方が安全な状態ですが、ROM焼きは失敗すると壊れる可能性があります。
ここからは、スペック表の項目別に解説していきます。
外観
センターパンチホールを採用しており、多くのXiaomi製スマホと同じです。
背面に4眼カメラがあり、カメラ周辺は一眼レフカメラのレンズをイメージしているようなデザインになっています。
背面カメラが目立つ大きさであり、カメラの出っ張りが気になるかもしれません。
本体色はBlack・Olive Greenの2色のみで、共にダーク系の色です。
Olive Greenが特徴のある色ですが、似たような色の機種は他メーカーにもあります。
スペック
Xiaomi 13 Ultra(Global) | |
---|---|
本体 | |
SoC | Snapdragon 8 Gen 2 |
サイズ | 163.18×74.64×9.06 |
重量 | 227g |
ディスプレイ | |
ディスプレイサイズ | 6.73インチ |
パネル種 | 有機EL |
解像度 | 3200×1440 |
リフレッシュレート | 1-120Hz |
タッチサンプリングレート | 240Hz |
記憶領域 | |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 512GB |
micro SD | なし |
カメラ | |
背面メインカメラ | 50MP(f/1.9) |
望遠カメラ | 50MP(f/1.8) /光学3倍 |
スーパー望遠カメラ | 50MP(f/3.0)/光学5倍 |
超広角カメラ | 50MP(f/1.8) |
前面カメラ | 32MP(f/2.0) |
ネットワーク | |
3Gバンド | 1/2/4/5/6/8/19 |
4Gバンド | 1/2/3/4/5/7/8/18/19/ 20/26/28/38/40/41/66 |
5G Sub6 | 1/3/5/7/8/20/28/38/ 40/41/77/78/79 |
WiFi | 802.11 a/b/g/n/ac/ax/be |
Bluetooth | 5.3 |
SIM | nanoSIM/nanoSIM |
機能 | |
生体認証 | 顔認証/画面内指紋認証 |
防水/防塵 | IPX8/IP6X |
イヤホンジャック | なし |
Felica | なし |
スピーカー | デュアル |
バッテリー | |
バッテリー容量 | 5000mAh |
充電速度 | 90W充電 |
ワイヤレス充電 | 50W充電 |
ポート | USB TypeC |
価格 |
付属品
ACアダプター・USB Type-C ケーブル・SIM 取り出しツール・保護フィルム・保護ケース・クイックスタートガイド・保証に関するお知らせ
Xiaomi標準の付属品が付属しており、必要最低限のものが揃っています。
※ACアダプターは中国国内用の形状のため、日本国内で使用する際は変換アダプターが必要です。
本体
高性能なSoCを搭載
Xiaomi 13 Ultraに搭載しているSnapdragon 8 Gen 2はAnTuTuベンチマーク Ver.9で112万点あり、100万点を超えると全ての用途で困ることはありません。
ゲームも高画質の高フレームレートで安定動作するため、あとは冷却性能次第です。
冷却性能はLiquidCoolを採用することで、従来の冷却システムより冷却効率が良くなり、安定した動作が期待でききるでしょう。
標準サイズに重い本体
6.73インチのディスプレイサイズに対して本体サイズは大きくなく、標準サイズと言っても良いでしょう。
本体重量の227グラムは重く、一般的なスマホより20グラム以上重くなっています。
SoCの性能は高いですが、本体重量の重い点が難点です。
ディスプレイ
大型の6.73インチディスプレイ
大型の6.73インチディスプレイを搭載しており、現行機種で大型の部類に入るディスプレイサイズです。
ディスプレイが大きくなると見やすくなるメリットがある反面、本体サイズが大きくなり重量も重くなるデメリットがあります。
高解像度に有機ELディスプレイ
ハイスペック機に有機ELパネルは当然であり、Xiaomi 13 Ultraも有機ELパネルを搭載しています。
ディスプレイが大きく高解像度になっていますが、6.73インチディスプレイでは高解像度を生かせるディスプレイサイズではなく、高解像度により消費電力が多くなるデメリットの方が大きいです。
可変リフレッシュレートで省電力
最大リフレッシュレートが120Hzあり、残像の見えにくいスムーズなスクロールです。
120Hzで残像が気になる際は、リフレッシュレート144Hzに対応している機種を選ぶと良いでしょう。
1Hz単位の可変リフレッシュレートに対応しており、用途に応じて最適なリフレッシュレートが設定され、リフレッシュレートによる消費電力が最適化されます。
物足りないタッチサンプリングレート
240Hzのタッチサンプリングレートは複数の指で連打を行うゲームでタッチ抜けが発生する可能性があり、このようなゲーム重視の場合はタッチサンプリングレート360Hz以上の機種を選ぶと良いでしょう。
連打の必要がないゲームを遊ぶ場合は、タッチサンプリングレートを気にする必要はありません。
可変リフレッシュレートで消費電力を抑えることができ、高解像度のデメリットを相殺できると思われます。
記憶領域
十分なメモリー容量
現状でメモリー12GBはオーバースペックですが、OSのアップデートでメモリー消費量が増えても、5年はメモリーで困ることはないでしょう。
オーバースペックのストレージ
512GBのストレージはmicroSDが使用できない機種でも多すぎます。
ストレージ容量が512GBのみのXiaomi 13 Ultraは、ストレージ容量を圧迫するような特殊な使い方をしない限り容量不足に陥ることはなく、特殊な使い方をしなければ半分以上の容量が余るでしょう。
長く同じ機種を使用してもメモリー容量で困ることがなく、512GBのストレージは多すぎます。
カメラ
平凡なメインカメラ
平凡なメインカメラの性能であり、他メーカーの機種でXiaomi 13 Ultraより優れているメインカメラを搭載した機種はあります。
光学3倍の望遠カメラは高性能
50MPの光学3倍望遠カメラは画素数が高く、倍率も及第点です。
F値がメインカメラより0.1高い1.8であり、メインカメラ並に背景をぼかすことができます。
スーパー望遠カメラで倍率が5倍に
望遠カメラの倍率が3倍に対して、スーパー望遠カメラは5倍で、共に高画素の50MPです。
望遠カメラとスーパー望遠カメラは倍率以外にF値の違いがあり、スーパー望遠カメラは3.0のF値で望遠カメラより低くなっています。
F値が低くなると背景のボケ具合が小さくなり、撮影環境によっては背景が全くボケない場合もあるでしょう。
スーパー望遠カメラにF値1.8を求めることは酷で、実現すると販売価格が高くなるため、この辺りの設定が妥当だと思われます。
メインカメラ並の超広角カメラ
メインカメラと差のない性能の超広角カメラは、メインカメラと同程度の画質が期待でき、他機種より綺麗な写真になると思われます。
前面カメラも高性能
背面カメラより性能が下がる全面カメラですが、他機種より性能が高く高画質の撮影が可能です。
Leica製のカメラを搭載している点が最大のセールスポイントであり、Xiaomi 13 Ultraはカメラ重視の機種になっています。
ネットワーク
少なさが気になる対応バンド
日本国内の使用で困ることはなく、国内全てのキャリアで問題なく使用できます。
4G・5G共に対応バンドが少なく、使用する国によっては電波が不安定になる可能性があり、最悪使用できないかもしれません。
海外で利用する際は対応バンドに注意が必要です。
最新のWIFI 11beに対応
WIFIの最新規格である11beに対応していますが、対応ルーターが少なく高価な点が難点です。
現状は11ax対応ルーターを所持しているなら通信速度で困ることはなく、11be対応機種と対応ルーターが増えてからルーターの購入を検討しても遅くありません。
物理SIMでデュアルSIM
物理SIM2枚でデュアルSIMが可能で、最近流行りのeSIMには対応していません。
eSIM非対応でも、2回線を使い分けることができるため、物理SIMで困ることはないでしょう。
日本国内の利用で困ることはありませんが、技適を取得していないため、電波法に抵触する可能性があります。
対応バンドが少なく海外の利用に注意が必要です。
機能
当然の認証システム
顔認証と画面内指紋認証に対応しており、顔認証の認証精度と速度に問題ありません。
画面内指紋認証は、認証精度と速度が他の指紋認証に劣りますが、本体カバーを取り付けた際に指紋認証部がむき出しにならないデザイン性の良さがあります。
完全防水・防塵に対応
防水・防塵共に最高等級の性能があり、水没に耐えられる防水性能です。
防塵性能は、粉塵が舞う環境下の使用で本体内部に粉塵が侵入しません。
おサイフケータイが使えない
Felica非搭載のため、iDやスマートSuicaのようなおサイフケータイが使用できません。
NFCに対応しているため、VISAタッチやMasterコンタクトレスのような決済には対応しています。
おサイフケータイは日本独自の規格のため、グローバル版にFelicaは搭載されません。
2基のスピーカーでデュアルスピーカー
2基のスピーカーを搭載しており、完全ステレオに対応しています。
多くの機種は疑似ステレオであり、1基のスピーカーと受話部のスピーカーでステレオにしているため、スピーカーの違いで違和感のある音になります。
完全ステレオに対応しているXiaomi 13 Ultraは、同じタイプのスピーカーから音声が流れるため、音に違和感がありません。
デュアルスピーカー以外はハイスペック機で当然の仕様であり、デュアルスピーカーはハイスペック機でも珍しいです。
おサイフケータイが必須の場合は、グローバル機を諦めましょう。
バッテリー
大容量バッテリーで1日は余裕
5000mAhの大容量バッテリーを搭載しており、無理な使い方をしない限り1日は余裕で持ちます。
バッテリー容量が増えると本体重量が重くなるデメリットもありますが、大容量バッテリーを搭載することでバッテリー切れになる確率を下げられるため、デメリットよりメリットの方が大きいです。
中途半端な充電速度でも高速
90W充電に対応しており、34分でフル充電できます。
60W充電の次は120W充電が一般的で、筆者が知る限り90W充電を採用している機種はありません。
今後90W充電が普及するかもしれませんが、現状は中途半端な充電速度だと言えますが、90W充電が見かけない速度と言うだけで、高速充電に該当します。
高速ワイヤレス充電に対応
10Wぐらいが一般的なワイヤレス充電であり、高速ワイヤレス充電でも20Wぐらいです。
Xiaomi 13 Ultraのワイヤレス充電は50Wであり、一般的な高速ワイヤレス充電の2倍以上の速度になります。
有線速度の約半分の速度しかありませんが、ミドルスペック機の有線充電より速く、メイン充電としての利用も可能です。
高速充電に対応した大容量バッテリーを搭載することで、充電時間のストレスから開放され、高速ワイヤレス充電にも対応しています。
総括
昨今の円安を考慮しても、12万円ぐらいまでなら高い機種ではなく、カメラ特化の機種としては良い機種になっています。
本体重量が重く、本体サイズが大きくなっている点が難点です。
グローバル版はおサイフケータイを諦める必要があり、おサイフケータイが必須の場合は、日本国内専売モデルを探す必要があります。
悪くない機種ですが、カメラに特化しすぎている点と、無骨すぎる背面のデザインが筆者は気に入りません。