SHARPより2023年11月に発売したAQUOS sense8のスペック解説です。
日本国内向けに作られた機種のスペックはどのようなものでしょう。
AQUOS sense8の良い点
AQUOS sense8の悪い点
悪くない性能
悪くはないミドルスペック機ですが、価格に見合わない機種になっています。
似たような性能の機種を安価に購入できるため、45,000円ぐらいが妥当な価格です。
ここからは、スペック表の項目別に解説していきます。
外観

ディスプレイ面にウォータードロップノッチを採用しており、android主流のパンチホールではなく、時代遅れ感があります。
AQUOS senseシリーズのディスプレイ面は似ているデザインで、世代が変わっても見分けがつきません。
背面のカメラ周りが特徴的で、真ん中の大きなカメラがメインカメラになり、メインカメラ横の小さなカメラが広角カメラです。
本体色はCobalt Black・Light Copper・Pale Greenの3色があり、Light Copper・Pale Greenが特徴のある色になっています。
スペック
AQUOS sense8 | |
---|---|
本体 | |
SoC | Snapdragon 6 Gen 1 |
サイズ | 153x71x8.4㎜ |
重量 | 159g |
ディスプレイ | |
ディスプレイサイズ | 6.1インチ |
パネル種 | 有機EL |
解像度 | 2432×1080 |
リフレッシュレート | 90Hz |
タッチサンプリングレート | 不明 |
記憶領域 | |
メモリ | 6GB |
ストレージ | 128GB |
micro SD | あり(最大1TB) |
カメラ | |
背面メインカメラ | 50.3MP(f/1.9) |
超広角カメラ | 8MP(f/2.4) |
前面カメラ | 8MP(f/2.0) |
ネットワーク | |
3Gバンド | 1/2/5/8 |
4Gバンド | 1/2/3/5/8/12/17/18/ 19/21/28/38/41/42 |
5G Sub6 | 1/3/28/41/77/78/79 |
WIFI | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.1 |
SIM | nanoSIM/eSIM |
機能 | |
生体認証 | 顔認証/側面指紋認証 |
防水/防塵 | IPX8/IP6X |
イヤホンジャック | あり |
Felica | あり |
スピーカー | シングル |
バッテリー | |
バッテリー容量 | 5000mAh |
充電速度 | 18W充電 |
ポート | USB TypeC |
価格 | 56,980円 |

付属品
クイックスタートガイド・クイックスイッチアダプター
クイックスイッチアダプターは、以前使用していた機種からデーターを以降する際に使いますが、初期設定後は不要になるため、用途が限定されます。
本体カバー・保護フィルム・ACアダプター・USB TypeCケーブルは必要に応じて、別途用意する必要があります。
中国メーカーと違い、何も付属しない点がSHARPの特徴です。
本体
ミドルスペック機では十分な性能

AQUOS sense8に搭載しているSnapdragon 6 Gen 1のベンチマークをAnTuTu Ver.9で計測すると約47万点です。
ミドルスペック機では高いスコアがあり、ゲーム以外の用途で困ることはありません。
一部のゲームを除き、画質とフレームレートを下げるとスムーズに動作します。
ゲームが主目的ではなく、動けば良い程度の場合に向く機種です。
コンパクトな機種
Iphone 15より1ミリ程度大きくなります。
本体重量が200グラム前後の機種が多く、AQUOS sense8の159グラムは、本体サイズに対して軽い本体になります。
コンパクトで軽い機種のため、小さな手の方が扱いやすい機種です。
ミドルスペック機では高性能なSoCを搭載して、軽くて小さい本体になります。
ディスプレイ
小さなディスプレイ
ディスプレイの大型化が進む中で、AQUOS sense8は6.1インチのディスプレイを採用しています。
大型ディスプレイは本体が重く大きくなり、AQUOS ssense8は小さくて軽い本体です。
小さなディスプレイは表示領域が狭くなり、文字や画像が小さくなるデメリットがあります。
コンパクトな本体か見やすかは、ユーザーの好みで変わるでしょう。
有機ELパネルに一般解像度
ディスプレイパネルは省電力効率を上げる、IGZO対応ディスプレイパネルを使用しており、更に有機ELに対応することで鮮やかな発色を実現しています。
一般的な解像度が2400×1080に対して、AQUOS ssense8は若干高い2432×1080です。
解像度の違いはなく、一般的な機種と同じ解像度と思っても良いでしょう。
リフレッシュレートは疑問

リフレッシュレート90Hzに対応しており、場合によっては残像が見えるスムーズなスクロールではありません。
なめらかハイスピード表示で最大180Hzに対応しますが、アプリによっては非対応になる可能性があります。
リフレッシュレートが高くなるとバッテリー消費が激しくなるデメリットがあり、一般的なミドルスペック機より消費電力は高くなるでしょう。
SHARP独自の優れた技術を採用しているディスプレイです。
記憶領域
今は十分なメモリー容量
メモリー6GBで現状は困りませんが、近い将来メモリー8GBの時代が来ると思われるため、その時はメモリー不足に陥る可能性が高いです。
AQUOS ssense8は最大3回のOSバージョンアップと、5年のセキュリティアップデートに対応しており、5年は安心して使用できる機種になります。
しかし、5年後はメモリー8GB以上が標準の時代が来ていると思われるため、メモリーで困る可能性が高く、メモリー8GBは欲しかったです。
十分なストレージ容量
128GBのストレージ容量は、microSDを駆使することでストレージ不足を解消できます。
256GB以上のストレージ容量があれば、microSDへファイル移動を行う手間を省くことができ、ストレージ容量は128GBと256GBの選択式にして欲しかったです。
メモリー容量に不満があり、長期の使用に向かない機種です。
カメラ
メインカメラの性能は高くない

50MPはミドルスペック機で標準の画素数であり、1.9のF値も高くはありません。
優れている手振れ補正ですが、ジンバルを使用した時のような手振れ補正はなく、一般的なミドルスペック機より少し補正が効く程度でしょう。
平凡な画質になるミドルスペック機が多く、AQUOS sense8もそれなりの画質になると思えます。
おまけ程度の広角カメラに期待できない前面カメラ
ミドルスペック機の広角カメラは、おまけ程度の性能の機種が大半で、AQUOS sense8も例外ではありません。
近年は、前面カメラに力を入れている機種が増える中、AQUOS sense8は8MPの低画素のカメラです。
前面カメラは16MP以上が良く、前面カメラを多用する際は高画素の他機種を選ぶと良いでしょう。
ミドルスペック機では平凡なカメラ性能です。
ネットワーク
5Gのn79に対応した珍しい機種
日本国内の使用で困ることはなく、国内全ての通信キャリアで使用できます。
ミドルスペックでは珍しい5Gのn79に対応しており、docomoの5G対応エリアを全てカバーできます。
4G・5G共に対応バンドが少なく海外で使用する際は、国によって使えない可能性があり、確認が必要です。
11ac対応のWIFI
ミドルスペック機でも11axに対応している機種が増えてきていますが、AQUOS sense8は11acまでしか対応していません。
11acでも通信速度は十分ですが、できることなら11axに対応して欲しかったです。
流行りのeSIM
流行りのeSIMに対応していますが、eSIMは非対応の通信キャリがあり、デュアルSIMで使用する際は確認が必要です。
Bluetooth5.0以上に対応している場合は、それ以上のバージョンに大きな違いはありません。
機能
側面指紋認証は好み
顔認証と側面指紋認証に対応しており、顔認証の認証精度と速度で困ることはありません。
側面指紋認証は認証精度が高く、認証速度も速い優れた指紋認証ですが、カバーを取り付けた際に指紋認証部が剥き出しになるデザイン性の悪さがあります。
デザイン性を優先する際は画面内指紋認証ですが、認証精度と速度が側面指紋認証に劣るため、利便性かデザイン性で意見が別れるでしょう。
完全防水・防塵に対応
完全防水・防塵に対応しており、水没時でも機器内部に水が浸入することはありません。
粉塵が舞う環境下でも内部に粉塵が浸入することがなく、完全に粉塵を遮断できます。
有線イヤホンとおサイフケータイ対応
3.5ミリジャックを搭載しており、有線イヤホンを直接使用できます。
無線イヤホンより有線イヤホンの方が音質は良く、有線イヤホンを使用する方にはイヤホンジャックは嬉しい機能です。
Felicaを搭載することで、iDやスマートSuicaのようなおサイフケータイに対応したタッチ決済が使用でき、VISAタッチやMasterコンタクトレスのようなタッチ決済も使用できます。
残念なスピーカー
1基のスピーカーから音声が流れるモノラルスピーカーに対応しています。
ミドルスペック機は1基のスピーカーと受話部から音声が流れる疑似ステレオに対応した機種が多くあり、モノラル音声の機種は多くありません。
本体価格が高価になるAQUOS sense8は疑似ステレオでも良く、残念なスピーカーになっています。
スピーカー以外の性能は優れています。
バッテリー
十分な大容量バッテリー

5000mAhの大容量バッテリーを搭載しており、無理な使い方をしない限り、2日は持つバッテリー容量です。
大容量バッテリーを搭載すると本体重量が重くなる傾向にありますが、AQUOS sense8は本体重量が軽く理想的なバッテリー容量と本体重量の関係です。
充電速度がネック
大容量バッテリーに18W充電は遅く、フル充電に100分以上の時間が必要になります。
ミドルスペック機に大容量バッテリーを搭載する機種が多く、大容量バッテリーは30W以上の充電速度でバランスが良く、できるなら60W充電が望ましいです。
一度の充電で長く使える大容量バッテリーを搭載していますが、充電速度が遅く、バッテリー関係のバランスは悪いです。
総括
メモリー容量・スピーカー・充電速度が悪い点になり、特にメモリー容量が問題です。
数年で機種変を行う際は問題ありませんが、セキュリティーアップデート対応年数の5年を目途にするなら、5年後はメモリー不足によるカクつきが発生する可能性が高く、長く使用できる機種とは言えません。
スピーカーと充電速度は妥協できても、増設ができないメモリーを妥協することは避けた方が良く、AQUOS sense8の購入を検討している場合は、この点を考慮する必要があります。
軽くて小さい、高性能なミドルスペック機は大きな需要があると思われるだけに、メモリー容量が残念な結果です。
定価ではコスパが悪く、数年で機種変する際は良い機種なため、セール価格での購入をお勧めします。
