【スペック解説】AQUOS R8 ミドルスペック機みたいなハイスペック機

SHARPより2023年に発売したAQUOS R8のスペック解説です。
同社のハイスペック機となるAQUOS R8はどのような性能でしょう。

AQUOS R8の良い点

SoCの性能が高い
メモリー容量が多い
ストレージ容量が多い
完全防水・防塵に対応
おサイフケータイが使える

AQUOS R8の悪い点

本体重量が若干重い
リフレッシュレートが高すぎる

高すぎる本体価格

悪い点が少ない機種ですが、ハイスペック機として不満が残る機種です。
10万円を超える機種とは思えない性能であり、9万円以下の価格設定が妥当と思われます。

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ここからは、スペック表の項目別に解説していきます。

目次

外観

AQUOS R8 外観

近年のハイスペック機では珍しいウォータードロップノッチを採用しています。
android機はパンチホールが主流で、一世代前のウォータードロップノッチは古い機種のように見えます。
背面はメインカメラと広角カメラがあり、真ん中にあるメインカメラが特徴的です。

AQUOS R8 本体色

ブルー・クリームの2色で本体色を構成しています。
似たような色の機種が他メーカーから販売しており、特徴のある色ではありません。

スペック

AQUOS R8
本体
SoCSnapdragon 8 Gen 2
サイズ159x74x8.7㎜
重量179g
ディスプレイ
ディスプレイサイズ6.39インチ
パネル種有機EL
解像度2340×1080
リフレッシュレート240Hz
タッチサンプリングレート不明
記憶領域
メモリ8GB
ストレージ 256GB
micro SDあり(最大1TB)
カメラ
背面メインカメラ50.3MP(f/1.9)
超広角カメラ13MP(f/2.3)
前面カメラ8MP(f/2.0)
ネットワーク
3Gバンド1/2/4/5/8
4Gバンド1/2/3/4/5/7/8/12/13/
17/18/19/20/21/28/38/
39/40/41/42/66
5G Sub61/3/5/7/28/38/40/41/
77/78/79
WIFI802.11 a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth 5.3
SIMnanoSIM/eSIM
機能
生体認証顔認証/側面指紋認証
防水/防塵IPX8/IP6X
イヤホンジャック あり
Felicaあり
スピーカーステレオ
バッテリー
バッテリー容量 4570mAh
充電速度不明
ポートUSB TypeC
価格137,940円

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付属品

クイックスタートガイド・クイックスイッチアダプター

データーの引継ぎに使用するクイックスイッチアダプターは用途が限定されます。
本体カバー・保護フィルム・ACアダプター・USB TypeCケーブルは無く、必要に応じてユーザーが用意する必要があり、クイックスイッチアダプターではなく頻繁に使えるものを付属するほうがユーザーは喜ぶでしょう。

本体

困ることのないSoC

AQUOS R8に搭載しているSnapdragon 8 Gen 2を、AnTuTuベンチマーク Ver.9で計測すると約110万点です。
ゲーム以外の用途で困ることがなく、AnTuTuベンチマークで100万点を超えると大半のゲームが高画質〜最高画質の60FPSで動作します。
高性能なSoCを搭載したAQUOS R8は、全ての用途で困ることはありません。

厚みがある本体

6.4インチ前後のディスプレイサイズの機種では標準のサイズですが、8.7ミリの厚みはスマホ全体で見ても厚い部類に入ります。
本体サイズに対して179グラムの本体重量は若干重いです。

高性能なSoCに厚みのある本体になります。

ディスプレイ

見にくい場面があるディスプレイサイズ

小型の6.39インチディスプレイを搭載することで、本体サイズを小さくしています。
小さなディスプレイは画像や文字が小さくなり、見にくい場面では拡大を行う必要があり、頻繁に拡大を行うと面倒に思えるかもしれません。

有機ELパネルに中途半端な解像度

AQUOS R8の有機ELパネルはIGZOの技術が使われており、IGZOを使用することで消費電力を抑えられます。
一般的な解像度が2400×1080に対して、AQUOS R8は2340×1080であり、若干解像度が低くなっていますが、6.39インチのディスプレイでは違いが分かりません。
そのため、解像度が低くなっている点は気にしなくても良いでしょう。

高すぎるリフレッシュレート

なめらか表示を使用することでリフレッシュレートが240Hzになり、ゲーミングモニター以上のリフレッシュレートになります。
リフレッシュレート240Hzに対応したアプリが必要になり、高リフレッシュレートに対応したアプリは多くなく、利用頻度は少ないでしょう。
高リフレッシュレートは残像が見えないスムーズなスクロールになりますが、バッテリー消費が激しくなるデメリットがあります。

高リフレッシュレートのバッテリー消費を、IGZOでカバーできるかは疑問であり、リフレッシュレートが高すぎる点は難点です。

記憶領域

長く使えるメモリー容量

8GBのメモリーを搭載しているAQUOS R8は、最大3回のOSアップデートに対応しており、この期間はメモリー容量で困ることはありません。
現状はメモリー6GBでも十分ですが、OSのアップデート等でメモリーが必要となり、数年後にメモリー8GBを推奨する時代が来ると思われるため、メモリー8GB以上が理想です。

十分なストレージ容量

256GBのストレージ容量があり、大量のゲームアプリや動画を保存しない限りはストレージ不足に陥る可能性が低いです。
ストレージ不足に陥った際は、microSDを活用するとストレージ不足を解消でき、ストレージで困ることのない機種になっています。

メモリー容量とストレージ容量に不満はなく、microSDが使える点も高評価です。

カメラ

ハイスペック機では平凡なカメラ

1/1.55インチのセンサーを搭載していますが、ハイスペック機には1インチのセンサーを搭載した機種もあり、センサーは見劣ります。
1.9のF値はミドルスペック機では及第点ですが、ハイスペック機のAQUOS R8は最低でも1.7は欲しかったです。
Leica監修のカメラもインパクトに弱く、Leica製カメラを搭載して価値観を上げたほうが良かったと思えます。

ハイスペック機としては平凡なカメラになっており、画質も平凡だと思われます。
おまけ程度の広角カメラに低画素の前面カメラは、ハイスペック機では見劣るでしょう。

ネットワーク

日本での使用で困らない

日本国内全ての通信キャリアで使用でき、困ることはありません。
特に、5Gのn79に対応している機種は少なく、docomoの5Gエリア内で問題なく5G接続ができます。

11ax対応のWIFI

WIFIは第6世代の11axに対応しており、11ax対応ルーターに接続すると理論値で最大9.6Gbpsの速度があり、一世代前の11acより3Gpbs速くなっています。
実際の通信速度は11acより少し速くなったぐらいであり、11ac対応ルーターを11ax対応ルーターに買い替えるメリットは多くありません。
しかし、11ac非対応のルーターの場合は話が変わり、第4世代の11nになると最大300Mbpsの通信速度しかなく、11ax対応ルーターの購入検討をお勧めします。

eSIMと物理SIMでデュアルSIM

近年では当然になっているeSIMに対応しています。
eSIMに対応すると複数の通信キャリアを手軽に変更できるメリットがありますが、全ての通信キャリアがeSIMに対応していないデメリットもあります。

日本国内の使用で困ることはありません。

機能

珍しい側面指紋認証

顔認証と側面指紋認証に対応しており、顔認証の認証速度と認証精度で困ることはありません。
側面指紋認証は認証速度が速く認証精度も高いですが、本体カバーを取り付けた際に認証部が剥き出しになるデザイン性の悪さがあります。
デザイン性を重視する際は画面内指紋認証が良く、画面内指紋認証は認証速度と認証精度が側面指紋認証に劣るでしょう。
近年はハイスペック機に画面内指紋認証が普通になっており、側面指紋認証を採用しているAQUOS R8は時代遅れ感があります。

高い防水・防塵性能

完全防水・防塵に対応しており、水没に耐えられる防水性能です。
粉塵が機器内部に侵入することがない完全防塵にも対応しており、最高ランクの防水と防塵性能になっています。

珍しいイヤホンジャック

3.5ミリジャックを搭載しているハイスペック機は珍しく、ミドルスペック機でもイヤホンジャック非搭載の機種が多いです。
イヤホンジャックは有線イヤホンをスマホに直接接続できるメリットがあり、イヤホンジャックが無い場合は、USBポートから変換アダプターを使用する必要があります。
変換アダプターはUSBポートを塞ぐデメリットがあり、イヤホンジャックを搭載しているとUSBポートと有線イヤホンの両方を使用できるメリットがあります。

おサイフケータイが使える

FeliCaを搭載することで、iDやスマートSuicaのようなおサイフケータイが使用でき、VISAタッチやMasterコンタクトレスのような決済も可能で、ほぼ全てのタッチ決済に対応しています。

仕方がないステレオスピーカー

1基のスピーカーと受話部から音声が流れる疑似ステレオに対応しています。
疑似ステレオはスピーカーの違いから音に違和感があり、2基のスピーカーを搭載している完全ステレオより、音質で劣ります。
ハイスペック機でも疑似ステレオに対応する機種が多く、完全ステレオでない点は仕方ありません。

ハイスペック機で珍しくなった側面指紋認証を採用している以外は、ハイスペック機に相応しい機能になっています。

バッテリー

多くはないバッテリー容量

バッテリー消費が大きくなるハイスペック機は5000mAh以上の大容量バッテリーが相応しく、AQUOS R8の4570mAhは多い容量とは言えません。

速くない充電速度

充電速度は不明ですが、約120分の充電時間から充電速度を考えると、20W前後の充電速度だと思われます。
ハイスペック機には最低でも60W充電が望ましく、ハイスペック機に相応しくない充電速度です。

普通のバッテリー容量に、遅い充電速度です。

総括

それなりに纏まった機種になっていますが、カメラや充電速度に不満が残ります。
SoCだけがハイスペック機で、その他はミドルスペック機のような作りのため、SoCの性能を低くしてミドルスペック機で販売すると良い機種になります。
価格に見合う性能とは言えず、8万円ぐらいで販売している時に購入すればコスパは悪くなりません。

13万円台の機種とは思えない性能のため、お勧めできる機種ではありません。

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