各ECサイトで安価な10.1インチタブレットの、TECLAST P30Tのスペック解説です。
中国メーカーのTECLASTは安価なノートPCやタブレットを販売しています。
2万円以下のタブレットはどのような性能なのでしょう。
P30Tの良い点
P30Tの悪い点
用途次第ではコスパが高い
SoCとメモリーに不満があるP30Tですが、動画視聴や読書のような、SoCの性能に左右されない用途に向く機種です。
用途が限定されるため、性能に合った使い方を行う際は高コスパの機種になっています。
ここからは、スペック表の項目別に解説していきます。
外観
ディスプレイ上部にカメラがあり、顔認証に使用するカメラです。
背面にはメインカメラのみがあり、よくあるタブレットのデザインです。
本体色はスペースグレイのみで、これもよく見かける色です。
スペック
TECLAST P30T | |
---|---|
本体 | |
SoC | Aiiwinner A523 |
サイズ | 242.4×161.3×8.1mm |
重量 | 444g |
ディスプレイ | |
ディスプレイサイズ | 10.1インチ |
パネル種 | IPS液晶 |
解像度 | 800×1280 |
リフレッシュレート | 不明 |
タッチサンプリングレート | 120Hz |
記憶領域 | |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 128GB |
micro SD | あり(最大1TB) |
カメラ | |
背面メインカメラ | 5MP |
前面カメラ | 2MP |
ネットワーク | |
WIFI | 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.4 |
GPS | なし |
機能 | |
生体認証 | 顔認証 |
防水 | 不明 |
イヤホンジャック | あり |
スピーカー | デュアル |
バッテリー | |
バッテリー容量 | 6000mAh |
充電速度 | 不明 |
ポート | USB TypeC |
価格 | 17,900円 |
付属品
USBTypeCケーブル・ACアダプター・保護フィルム・取扱い説明書・保証書
本体カバー以外の必要最低限のものは付属しており、必要に応じて本体カバーを用意する必要があります。
本体
性能が低いSoC
TECLAST P30Tに搭載しているAiiwinner A523は見かけないSoCですが、中国のAiiwinnerと言うメーカーが作っており、Aiiwinner製SoCは安価な中華タブレットに採用しています。
AnTuTuベンチマーク Ver.9で計測するとAiiwinner A523は約16万点です。
ブラウザ操作でもカクつく可能性があり、動作しないゲームもあります。
動画鑑賞や読書のようなSoCの性能が必要のない用途は問題なく使用でき、ゲーム以外の用途で支障がでる可能性があるSoCです。
標準サイズに軽い重量
10.1インチのディスプレイサイズに対して、標準の本体サイズです。
450グラムを切っている本体は、本体サイズに対して軽い本体重量になります。
軽い本体も、用途が限定されます。
ディスプレイ
妥当なディスプレイサイズ
10.1インチのディスプレイは動画鑑賞に向いており、読書で使用する際は片手持ちが辛い大きさです。
近年のタブレットは10〜11インチの機種が多く、10.1インチは流行りに乗った妥当なサイズでしょう。
液晶パネルに低解像度
タブレットではIPS液晶パネルが一般的であり、P30TもIPS液晶パネルを搭載しています。
バックライトを使用する液晶パネルは白っぽく見える点がデメリットになる反面、有機ELパネルより安価な液晶パネルは、大画面のタブレットではコストを抑えるために液晶パネルを搭載した機種が大半です。
解像度がフルHDではなくHDのため、10.1インチディスプレイでは粗さが目立つ可能性が高く、画質を優先する際はフルHDの機種をお勧めします。
リフレッシュレートは多分60Hz
安価なタブレットのリフレッシュレートは60Hzの機種が多く、P30Tもリフレッシュレートは60Hzと思います。
リフレッシュレート60Hzの場合、スムーズなスクロールではなく残像が見えやすいスクロールになるでしょう。
タッチサンプリングレートも低い
120Hzのタッチサンプリングレートは低く、複数の指で連打を行うゲームには向きません。
SoCの性能が低いため、連打が必要なゲームがスムーズに動作するとは思えず、P30Tでスムーズに動作する簡単なゲームではタッチサンプリングレートを考える必要はないでしょう。
解像度とリフレッシュレートは難点ですが、価格相応だと諦めるしかありません。
記憶領域
絶望的なメモリー容量
メモリー4Gでは動作がカクついたり、反応が遅れる場合があります。
P30Tのメモリー容量は4GBしかなく、スムーズな動作は期待できませんが、ストレージから6GBをメモリーとして使用することができ、その際はカクつく等の現象が少なくなります。
十分なストレージ
128GBのストレージ容量があり、ストレージ不足に陥った際は、microSDを活用することでストレージ不足を解消できます。
タブレットはスマホと違いインストールするアプリが少なく、スマホより少ないストレージで足りる場合が多いです。
メモリー4GBが致命的な欠点であり、ストレージの一部をメモリーとして使用することでメモリー不足を補うしかありません。
カメラ
おまけカメラ
メインカメラと前面カメラはおまけ程度の性能しかなく、安価なスマホのカメラにも劣ります。
カメラ性能に期待はできず、写れば良い程度の性能だと思っておきましょう。
タブレットにカメラ性能を期待することは無謀であり、カメラ性能は諦めましょう。
ネットワーク
11ax対応のWIFI
11axことWIFI6に対応していますが、WIFI専用モデルのため、SIMを使った通信はできません。
11ax対応ルーターに接続すると高速通信が可能で、一世代前の11acより理論上では高速ですが、実際は劇的な変化がなく、11acより少し速くなった程度の通信速度です。
ナビには向かない
GPSがなく、WIFIのみで現在地を計測しているため精度が悪く、数メートルの誤差が発生します。
そのため、精度が求められるナビには向かず、ナビで使用するのは止めておいた方が良いでしょう。
安価なタブレットには珍しい、11axに対応しています。
機能
顔認証のみに対応
顔認証のみに対応しており、認証精度と認証速度に問題ありません。
指紋認証には対応していませんが、多くのタブレットは顔認証のみのため、P30Tも顔認証のみです。
残念なスピーカー
2基のスピーカーを搭載することで完全ステレオに対応していますが、近年のタブレットは4基のスピーカーを搭載したクアッドスピーカーの機種が増えています。
ステレオスピーカーとクアッドスピーカーでは音の迫力に違いがあり、できることならクアッドスピーカーに対応して欲しかったです。
スピーカーに不満はありますが、完全ステレオに対応しているため、スピーカーは及第点です。
バッテリー
少ないバッテリー
10.1インチのタブレットではバッテリー容量が少なく、最低でも7000mAhは欲しかったです。
常に充電可能な環境で使用する際はバッテリー容量を気にする必要がなく、持ち運びを考えている場合は、バッテリー容量を気にした方が良いでしょう。
10WのACアダプターが付属しており、10~20Wの充電速度だと思われます。
総括
SoC・メモリー容量・解像度に不満があります。
特にSoCとメモリーは動作に大きくかかわる部分のため、この点の性能が低いP30Tは限定した用途でしか使用できません。
動画鑑賞や読書では問題ありませんが、ブラウザでスクロールすとカクツク場合があります。
FPSのようなゲームには向かず、パズルのような簡単なゲームぐらいでしか遊ぶことはできません。
簡単な用途で多少のカクツキが気にならない場合は、コスパの高い機種になっています。
セール時に15,000円以下で購入できる機種であり、用途に性能が見合っている場合は、お勧めできる機種です。
用途に見合わない際は、性能の高い機種を選ぶと良いでしょう。