GoogleのフラグシップモデルでになるGoogle Pixel 7 Proが発売中です。
フラグシップ機に相応しいものになっているでしょうか?
Google Pixel 7 Proの良い点
Google Pixel 7 Proの悪い点
12万円以上する高価な機種
128GBモデルと256GBモデルとの差が15,000円になっているも、10,000円程度の差が妥当に思えます。
128GBモデルでも12万円以上する高価なものになっており、安易に購入できる機種ではなく、購入には慎重になったほうが良いでしょう。
ここからは、項目別に解説していきます。
外観
ディスプレイ面は、センターパンチホールでAndroidに良くあるデザイです。
全体のベゼルは小さく、画面の占有率が高くなっています。
背面はメインカメラ・超広角カメラ・ズームカメラの、3眼カメラで構成されています。
一般的な縦並びのカメラではなく、カメラとライトが横並びになっている珍しいデザインです。
本体色は、Hazel・Snow・Obsidianの3色で構成されており、派手な色はありません。
スペック
Google Pixel 7 Pro | |
---|---|
本体 | |
SoC | Google Tensor G2 |
サイズ | 162.9x76.6x8.9㎜ |
重量 | 212g |
ディスプレイ | |
ディスプレイサイズ | 6.7インチ |
パネル種 | 有機EL |
解像度 | 3120×1440 |
リフレッシュレート | 120Hz |
タッチサンプリングレート | 不明 |
記憶領域 | |
メモリ | 12GB/12GB/12GB |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB |
micro SD | なし |
カメラ | |
背面メインカメラ | 50MP |
ズームカメラ | 48MP/光学5倍 |
超広角カメラ | 12MP |
前面カメラ | 10.8MP |
ネットワーク | |
3Gバンド | 1/2/4/5/6/8/19 |
4Gバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/ 17/18/19/20/25/26/28/ 29/30/38/39/40/41/42/ 46/48/66/71 |
5G Sub6 | 1/2/3/5/7/8/12/14/20/ 25/28/30/38/40/41/48/ 66/71/77/78 |
WIFI | 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.2 |
SIM | nanoSIM/eSIM |
機能 | |
生体認証 | 顔認証/画面内指紋認証 |
防水/防塵 | IP68 |
イヤホンジャック | なし |
Felica | あり |
スピーカー | ステレオ |
バッテリー | |
バッテリー容量 | 5030mAh |
充電速度 | 30W充電 |
ワイヤレス充電速度 | 23W充電 |
ポート | USB3.2 TypeC |
価格 | 124,300円/139,700円 |
付属品
USB TypeC ケーブル(USB 2.0)・クイック スタートガイド・クイック スイッチ アダプター・SIM ツール
ケースと保護フィルムが無く、別途購入する必要があります。
クイックスイッチアダプターという変わったものが付属しており、USB TypeCをUSB TypeAに変換するものです。
セットアップ時に、以前使用していたスマホのデーターを転送するぐらいしか用途がありません。
USB TypeAで接続ができるため、USBメモリーを接続すると、スマホがUSBメモリーを認識するかも知れません。
本体
高性能のSoCも冷却性能に問題があるかも
Googleが独自開発した最新SoCである、Google Tensor G2を搭載しています。
Google Tensor G2はQualcomm製のSnapdragon 888と同程度の性能で、Qualcomm最新のSnapdragon 8 Gen 1より劣っています。
しかし、Snapdragon 888と同程度の性能があるなら、一部のゲームアプリは最高設定以外で、問題なく動作するでしょう。
冷却性能は高くなく、平均的な性能でしょう。
重い本体重量に、標準サイズの本体
Androidスマホで良くある標準サイズになっているも、本体重量が212グラムあり、本体サイズの割に重くなっています。
特筆する性能では無い冷却性能のため、SoCの発熱次第ではSoC本来の性能が発揮できない可能性があります。
ディスプレイ
解像度の高い6.7インチディスプレイ
6.7インチのディスプレイはAndroidで一般的な大きさになっており、特に目立ったところもありません。
解像度がIphone 14 Pro Maxより高くなっており、他社製の機種でGoogle Pixel 7 Proより高解像度の機種を筆者は知りません。
6.7インチのディスプレイに、これほどまでの高解像度が必要なのかは疑問が残るところです。
当然の有機EL
googleのフラグシップモデルなら、有機ELパネルを搭載することは当然で、今では「ハイスペック機=有機EL」が当然の流れになっています。
120Hzのリフレッシュレートなら満足
スマホの場合はディスプレイが小さいため、120Hzのリフレッシュレートがあれば残像が残ることはありません。
極一部の人には残像が見えるかも知れませんが、この場合は更にリフレッシュレートが高い機種を購入するしかありません。
しかし、120Hzより上位の機種は多くなく、ある程度で妥協するほうが、リフレッシュレート以外の性能で高い機種を購入することができます。
可変リフレッシュレートを採用しており、アプリに合わせて適切な速度に設定されます。
一般的な6.7インチのディスプレイを搭載しており、リフレッシュレートも120Hzで言うことはありません。
敢えて問題点を出すなら、解像度が高くなりすぎてバッテリーの持ちが悪くなる可能性があるかも知れないぐらいです。
記憶領域
12GBのメモリーで5年後も使える
12GBのメモリーは現状で活躍する場面があまり無く、6GBで十分な容量になっています。
しかし、OSの進化に伴いメモリーの消費量が増えれば、必要になるメモリー容量も増えてきます。
Google Pixel 7 Proは5年間のアップデート保証があるため、12GBメモリーなら5年後もメモリーで困ることは無いでしょう。
3種類の容量が選べるストレージは良いも、microSDが使えない
microSDが利用できないため、動画やゲームアプリを大量に保存する場合は、256GB以上のストレージを選択したほうが良いでしょう。
ストレージの利用が少ない場合は128GBモデルでも十分な容量になるも、アップデート保証期間の5年間を使用する場合は、何があるか分からないため256GBモデルの購入も考えたほうが良いでしょう。
512GBについては必要になる容量とは思えず、現状では選択する必要が無いように思えます。
現状ではオーバースペックの12GBのメモリーも、数年後には必要になるかも知れません。
ストレージの容量が選べる点は大きく、microSDが使えないデメリットを、ストレージの容量選択でカバーすることが出来ます。
カメラ
特筆するところが無いメインカメラ
フラグシップ機で50MPのメインカメラは当然で、写り具合については実際に使用してみないと分かりません。
公式ではプロレベルのカメラシステムと言っており、カメラ性能に自身があるものと思えます。
特徴になる、光学5倍ズームに対応したカメラ
48MPの光学5倍ズームを搭載しています。
光学ズームを搭載する機種が少なくなり、現在ではフラグシップ機でも光学ズームが非搭載の機種もあります。
光学ズームを搭載している機種でも、3倍ズームぐらいまでの機種が多い中、Google Pixel 7 Pro光学5倍ズームを搭載しています。
更に画素数も48MPと、妥協のない作りになっており、5倍ズーム目当てで購入するのは良い選択かも知れません。
超広角カメラと前面カメラへの期待は薄い
ズームカメラに力を入れすぎたのか、超広角カメラと前面カメラは期待が持てないものになっています。
両方のカメラは画素数が低く、前面カメラは他メーカーのフラグシップ機より劣っています。
光学ズームカメラは画素数と倍率が高性能で期待が持てる仕様になっています。
他のカメラは及第点かそれ以下で、ズームカメラ目当てなら購入の候補に入れるべき機種だと言えるでしょう。
ネットワーク
日本国内での利用に不自由はない
国内4キャリアの4Gと5Gに対応しており、日本国内の利用で不自由はありません。
5Gに対応しているGoogle Pixel 7 Proは、超高速回線のミリ波には対応しておらず、Sub 6のみに対応しています。
5G Sub 6に対応しても回線速度は4Gと大差がなく、4Gより利用エリアが狭く回線速度の恩恵も少ない現状の5Gは、無くても支障がありません。
最新の11AXに対応して、Bluetoothも5.2に対応
WiFiの最新規格である11AXに対応しており、現状で最高速度のWiFiと通信が可能になっています。
11ACより高速通信が可能な11AXは、11ACと比較して劇的な違いがなく、11AC対応ルーターを使用している場合は、無理に11AX対応ルーターを購入する必要はありません。
Bluetooth 5.0以上に対応しているなら、Bluetooth 5.1以上のバージョンでも大差はありません。
eSIMは便利も、通信キャリアに要注意
eSIMと物理SIMのDSDVが可能で、近年のSIMフリースマホに増えてきている構成になっています。
eSIMは物理SIMと違い、eSIMに対応している通信キャリアは少なく、特にMVNOを利用する際に注意が必要で、現状では非対応のキャリアの方が多くなっています。
eSIM利用時には、キャリアが対応しているかの確認が必要です。
機能
顔認証と画面内指紋認証に対応するも、画面内指紋認証に問題があるかも知れない
現在の顔認証は、認証精度と認証速度に問題がある機種は皆無で、フラグシップ機なら当然問題は無いと思われます。
画面内指紋認証は完成した技術ではなく、改善が進んでいるとは言え、認証精度と認証速度に問題を抱えています。
実機で試したわけでは無いため実際の動作が分からず、認証精度と認証速度に問題があるかもとしか言えません。
最高クラスの防水・防塵対応
完全防水に対応しており、水没にも耐えることが出来ます。
ただし、完全防水でも過信は禁物で、真水以外の海水や汚水に水没すると壊れる可能性が高くなり、高水圧に耐えられるダイバーズウォッチのような防水機能では無いため注意が必要です。
普段の生活で活躍する場面が少ないと思える防塵機能も最高クラスの性能で、粉塵の侵入を完全に防ぐことが出来ます。
おサイフケータイが使えるも、イヤホンジャックがない
Felicaを搭載することにより日本国内で便利な、おサイフケータイの利用が可能になっています。
しかし、3.5ミリイヤホンジャックがなくイヤホンを使用する際は、USB TypeCポートに接続するアダプターが必要になります。
日本で発売するフラグシップ機にFelica搭載が標準になりつつある反面、イヤホンジャックは完全に廃止されました。
当然のステレオスピーカー
ハイスペック機にステレオスピーカーは当然で、近年はクアッドスピーカーを搭載している機種が発売されているぐらいです。
スマホのステレオスピーカーに過度な期待は厳禁で、それなりの性能だと思っていたほうが良いでしょう。
おサイフケータイが利用でき、防水と防塵に優れている機種になっています。
バッテリー
5000mAh超えのバッテリ容量で満足
SoCの消費電力によっては、バッテリ容量が多くないと1日持たない場合があります。
Google Tensor G2の消費電力が不明なためバッテリー容量は多いほうがよく、5000mAhあるなら最低1日はバッテリーが持つでしょう。
60W以上の充電速度が欲しかった
30W充電で5000mAhのバッテリー容量を充電すると、満充電まで70〜80分かかります。
できることなら60W充電以上の速度が欲しく、60W充電なら満充電まで35〜40分で完了するでしょう。
30W充電はバッテリーへの負担が少なくなるメリットがあり、そのためバッテリーの寿命が長くなります。
ワイヤレス充電にも対応しているも、ワイヤレス充電は有線充電より2割ぐらい充電効率が悪くなるため、無駄に電気を消費することになるでしょう。
バッテリー容量が多い割に充電速度が遅く、充電に時間がかかる反面、充電によるバッテリーの負担が少なくなり、バッテリーの寿命が長くなります。
総括
フラグシップ機と言うこともあり、悪い点が少なくなっています。
特に押したいところは「48MPの5倍光学ズーム」で、他メーカーのフラグシップ機を上回る性能であり、下手なコンパクトデジタルカメラよりも高性能だと言えるでしょう。
「本体重量が重い」ところは工夫次第で改善が可能で、軽いケースを利用することで、本体重量が重くなる事を軽減できるでしょう。
高性能な機種なため、128GBモデルの本体価格が12万円を超えており、できることなら10万円以内に収めて欲しかったところです。
円安の現在では仕方がないところでもあり、それでもGoogleには価格面で頑張って欲しかったと言えます。