スマートフォンのスペックを調べていると、「SoC」「RAM」「リフレッシュレート」「FeliCa」「IP68」など、聞き慣れない専門用語が数多く登場します。
数値が大きいほど良いものもあれば、用途によってはスペックが高くても大きな違いを感じにくいものもあります。
そこで本記事では、スマートフォンを購入するときに知っておきたい専門用語を、できるだけ初心者にも分かりやすく解説します。
当サイトのスマホ比較・スペック解説記事を読む際の参考としてもご活用ください。
主な専門用語を簡単に確認
| 用語 | 簡単に説明すると |
|---|---|
| SoC | スマホの性能を左右する中心的なチップ |
| CPU | 計算やアプリの処理を担当 |
| GPU | ゲームや映像などの画像処理を担当 |
| RAM | アプリを動かすための作業領域 |
| ストレージ | 写真やアプリなどを保存する容量 |
| AnTuTu | スマホ性能を数値化するベンチマーク |
| リフレッシュレート | 画面を1秒間に更新する回数 |
| タッチサンプリングレート | タッチ位置を検出する頻度 |
| FeliCa | おサイフケータイなどに使われる技術 |
| IP68 | 防水・防塵性能を示す等級 |
| OIS | 光学式手ブレ補正 |
| eSIM | スマホ本体に内蔵されたSIM機能 |
| mAh | バッテリー容量の目安 |
| W | 充電性能を示す目安 |
SoCとは?
SoCは「System on a Chip」の略で、スマートフォンの性能を大きく左右する重要な部品です。
CPUやGPU、画像処理、AI処理、通信などに関係するさまざまな機能が1つのチップにまとめられており、よく「スマホの頭脳」と表現されます。
代表的なSoCには、QualcommのSnapdragon、MediaTekのDimensity、AppleのAシリーズ、GoogleのTensorなどがあります。
基本的には高性能なSoCほどアプリの起動やゲーム、カメラ処理などを快適に行えます。
ただし、実際の使いやすさはSoCだけでなく、RAM容量、ストレージ速度、冷却性能、OSの最適化などにも左右されます。
CPUとは?
CPUは、アプリの実行や計算などさまざまな処理を担当します。
高性能なCPUを搭載しているスマートフォンほど、アプリの起動やWebページの表示、画像処理などを高速に行いやすくなります。
ただし、CPUのコア数が多ければ必ず高性能というわけではなく、CPUの世代や設計、動作クロックなども性能に影響します。
GPUとは?
GPUは主に映像やグラフィック処理を担当します。
特に3Dゲーム、動画、画面描画などで重要になります。
原神や崩壊:スターレイルなど負荷の高いゲームをプレイする場合は、CPUだけでなくGPU性能も重要です。
AnTuTuベンチマークとは?
AnTuTuベンチマークは、スマートフォンの性能を数値化するためによく利用されるベンチマークアプリです。
CPU・GPU・メモリ・操作性などを測定し、総合スコアとして表示します。
基本的にはスコアが高いスマートフォンほど、高負荷なゲームなどを快適に動かしやすくなります。
ただし、AnTuTuスコアだけで実際の使いやすさが決まるわけではなく、冷却性能やOSの最適化などでも体感性能は変わります。
また、AnTuTuのバージョンが異なるスコア同士は単純比較できないため注意が必要です。
RAM(メモリ)とは?
RAMは、スマートフォンでアプリを動かすために一時的にデータを置いておく「作業スペース」のようなものです。
RAM容量が多いほど、複数のアプリを同時に使用したときにアプリが終了しにくくなる傾向があります。
現在のスマートフォンでは、4GB、8GB、12GB、16GBなどがあります。
一般的なSNS、Web閲覧、動画視聴などであれば8GB程度でも十分ですが、ゲームやマルチタスクを重視するなら12GB以上あると安心です。
仮想メモリとは?
仮想メモリは、ストレージの一部をRAMのように利用する機能です。
メーカーによって「RAM拡張」「メモリ拡張」など名称が異なります。
ただし、物理RAMそのものが増えるわけではありません。
例えば「8GB+8GB拡張」と表示されていても、物理RAM16GBと同等の性能になるわけではありません。
ROM・ストレージとは?
写真、動画、アプリなどを保存する場所がストレージです。
一般的には64GB、128GB、256GB、512GB、1TBなどがあります。
一般的な使い方なら128GBでも足りる場合がありますが、写真や動画を多く撮影したり、大容量ゲームを複数インストールしたりする場合は256GB以上あると安心です。
スマートフォンではストレージ容量を「ROM」と表記する場合がありますが、厳密な意味でのROMとは異なります。
UFSとは?
UFSは、スマートフォンで使われるストレージ規格です。
UFS 2.2、UFS 3.1、UFS 4.0などがあり、基本的には新しい世代ほど読み書き速度が高速になります。
ストレージ速度が速いと、アプリの起動やゲームデータの読み込み、大容量ファイルのコピーなどが高速になる傾向があります。
IPS液晶とは?
IPS液晶はスマートフォンで広く使われている液晶ディスプレイの一種です。
比較的自然な色合いで、斜めから見ても色が変化しにくいことが特徴になります。
比較的安価なスマートフォンにも採用しやすい一方、有機ELと比べると完全な黒を表現するのは苦手です。
有機ELとは?
有機ELは、画素そのものが発光するディスプレイ方式です。
液晶のようなバックライトが不要なため、黒を表示するときは画素を消灯できます。
- 黒が引き締まって見える
- コントラストが高い
- 薄型化しやすい
といったメリットがあります。
一方で、長時間同じ画面を表示すると焼き付きが発生する可能性があります。
消費電力については表示内容や画面輝度によって変わるため、有機ELなら必ず液晶より省電力というわけではありません。
AMOLEDとは?
AMOLEDは有機ELディスプレイの一種です。
現在のスマートフォンでは広く採用されており、基本的には「AMOLEDも有機ELの仲間」と考えて問題ありません。
LTPOとは?
LTPOは、ディスプレイのリフレッシュレートを柔軟に変更できる技術です。
例えば画面を操作しているときは120Hz、静止画を表示しているときは低いリフレッシュレートにするなど、表示内容に合わせて制御できます。
画面の滑らかさを維持しながら消費電力を抑えやすいのがメリットです。
リフレッシュレートとは?
リフレッシュレートとは、ディスプレイが1秒間に画面を書き換える回数です。
単位にはHzを使用します。
- 60Hz:1秒間に最大60回
- 90Hz:1秒間に最大90回
- 120Hz:1秒間に最大120回
数値が高いほどスクロールやアニメーションが滑らかに見えます。
60Hz・90Hz・120Hzはどれがおすすめ?
通話やLINEなどが中心なら60Hzでも問題ありません。
Web閲覧やSNSを快適に利用したい場合は90Hz以上、ゲームや滑らかさを重視する場合は120Hz対応モデルがおすすめです。
ただし、高いリフレッシュレートを使用すると消費電力が増える場合があります。
タッチサンプリングレートとは?
タッチサンプリングレートとは、ディスプレイが指の位置を1秒間に何回検出するかを示す数値です。
- 120Hz:約8.3msごと
- 240Hz:約4.2msごと
- 480Hz:約2.1msごと
数値が高いほどタッチ操作への反応を速くしやすく、FPSや音楽ゲームなど素早い操作を要求されるゲームでメリットがあります。
なお、480Hzだから1秒間に480回タップできるという意味ではありません。
HDRとは?
HDRは「High Dynamic Range」の略です。
明るい部分から暗い部分まで、より幅広い明暗を表現するための技術です。
HDR10、HDR10+、Dolby Visionなど複数の規格があります。
画面輝度(nit)とは?
ディスプレイの明るさを示す際に使われる単位がnitです。
数値が高いほど明るく表示できるため、屋外でも画面が見やすくなる傾向があります。
ただし、通常輝度、HBM時の最大輝度、ピーク輝度など測定条件が異なるため、メーカー公称値だけで単純比較できない場合があります。
FeliCaとは?
FeliCaは非接触ICカード技術です。
スマートフォンでは「おサイフケータイ」などに利用されています。
海外メーカー製スマートフォンでは、日本向けモデルのみFeliCaに対応している場合があります。
おサイフケータイを使いたい場合は、購入前にFeliCa対応の有無を確認しましょう。
NFCとは?
NFCは近距離無線通信技術です。
スマートフォンを対応機器やICタグなどに近づけて通信できます。
ただし「NFC対応」と書かれていても、必ずしも日本のおサイフケータイに対応しているとは限りません。
IP等級とは?
スマートフォンでは「IP68」「IP54」などの表記で防水・防塵性能を示します。
例えばIP68では、最初の「6」が防塵性能、次の「8」が防水性能を表します。
基本的に数字が大きいほど高い保護性能を示しますが、防水性能が高くても、あらゆる状況で水没して問題ないという意味ではありません。
MP・画素数とは?
MPは「Megapixel」の略で、カメラの画素数を表します。
50MPなら約5,000万画素、200MPなら約2億画素です。
ただし、画素数が多いほど必ず高画質になるわけではありません。
写真の品質は、イメージセンサー、レンズ、SoC、HDR処理、メーカーの画像処理などにも左右されます。
f値とは?
f値はカメラレンズの明るさに関係する数値です。
「F1.8」「F2.2」などと表記され、基本的には数値が小さいほど多くの光を取り込みやすくなります。
ただし、スマートフォンのカメラ性能をf値だけで判断することはできません。
OISとは?
OISは「Optical Image Stabilization」の略で、光学式手ブレ補正を意味します。
カメラやレンズを物理的に動かして手ブレを補正する機能で、特に暗い場所での撮影や動画撮影で効果を期待できます。
EISとは?
EISは「Electronic Image Stabilization」の略で、電子式手ブレ補正です。
映像の一部を切り取るなど、ソフトウェア処理によって手ブレを抑えます。
超広角カメラとは?
通常のカメラより広い範囲を撮影できるカメラです。
風景、建物、大人数での集合写真などを撮影するときに便利です。
望遠カメラとは?
遠くの被写体を大きく撮影するためのカメラです。
上位スマートフォンでは、3倍や5倍などの光学望遠カメラを搭載しているモデルがあります。
光学ズームとデジタルズームの違い
光学ズームはレンズを利用して被写体を拡大する方式で、画質の劣化を軽減できます。
デジタルズームは、撮影した画像の一部分を拡大する方式になり、スマホ内部で画像処理を行うため、画質の劣化は避けられません。
一般的には光学ズームの方が画質を保ちやすくなります。
SIMとは?
SIMは、スマートフォンを携帯電話会社の回線に接続するために使用します。
現在ではnanoSIMが広く使われています。
eSIMとは?
eSIMはスマートフォン本体に組み込まれたSIM機能です。
物理的なSIMカードを挿さなくても、対応通信会社の情報を登録することでモバイル通信を利用できます。
デュアルSIM・DSDVとは?
デュアルSIMは、1台のスマートフォンで2つのSIMを利用できる機能です。
仕事用とプライベート用、通話用とデータ通信用など、用途を分けて利用できます。
DSDVは「Dual SIM Dual VoLTE」の略で、2つのSIMを利用しながら両方の回線で待ち受けできる方式です。
5Gとは?
5Gは第5世代移動通信システムです。
4Gと比べて高速・大容量、低遅延、多数同時接続などを目指した通信規格です。
ただし、5G対応スマートフォンなら常に高速通信できるわけではなく、対応エリアや電波状況などによって速度は変わります。
対応バンドとは?
スマートフォンが通信できる周波数帯を対応バンドと呼びます。
Band 1、Band 3、Band 8、Band 18、Band 19などがあります。
利用する通信会社が使用している主要バンドに対応していない場合、場所によって通信しにくくなることがあります。
プラチナバンドとは?
一般的に700~900MHz前後の周波数帯を指します。
比較的障害物を回り込みやすく、建物の中や郊外でも電波が届きやすいことが特徴です。
日本国内モデルは対応している場合が大半ですが、海外モデルでは対応していない場合があるので注意が必要です。
Wi-Fi 6とは?
Wi-Fi 6はWi-Fi規格の一つです。
対応ルーターと組み合わせることで、高速通信や多数の機器を接続した際の安定性向上などが期待できます。
Bluetoothとは?
Bluetoothは、イヤホン、スマートウォッチ、キーボードなどをスマートフォンと無線接続するための規格です。
Bluetooth 5.3、Bluetooth 5.4など複数のバージョンがあります。
新しいバージョンだから必ず音質が良くなるという意味ではありません。
モノラル・ステレオスピーカーとは?
モノラルスピーカー
基本的に1系統から音を出す方式です。
動画やゲームを横画面で利用すると、音の広がりを感じにくい場合があります。
ステレオスピーカー
左右2チャンネルで音を再生する方式です。
底面スピーカーと受話口を組み合わせる方式や、上下に独立したスピーカーを搭載する方式などがあります。
充電速度のWとは?
スマートフォンでは「33W充電」「67W急速充電」「120W急速充電」などと表記されます。
基本的には最大W数が大きいほど高速充電できる傾向がありますが、67Wだから33Wのちょうど2倍の速度で充電できるという意味ではありません。
実際の充電時間は、バッテリー容量、残量、温度、スマートフォン側の充電制御、充電器、ケーブルなどによって変わります。
USB PDとは?
USB PDは「USB Power Delivery」の略で、USB Type-Cを利用する給電規格です。
対応スマートフォンと対応充電器を組み合わせることで急速充電を利用できます。
ただし、メーカー独自の急速充電規格では、専用充電器を使わないと最大速度が出ない場合があります。
ワイヤレス充電とは?
充電ケーブルをスマートフォン本体に挿さず、対応充電器の上に置いて充電する機能です。
ケーブルの抜き差しが不要で便利ですが、有線充電より充電速度が遅い場合があります。
バッテリー容量のmAhとは?
スマートフォンのバッテリー容量はmAhで表示されます。
5,000mAh、6,000mAhなどと表記され、基本的には容量が大きいほど長時間利用しやすくなりますが、6,000mAhなら5,000mAhより必ず電池持ちが良いというわけではありません。
SoCの消費電力、ディスプレイ、画面輝度、リフレッシュレート、OSの最適化、電波状況などにも左右されます。
microSDカードとは?
microSDカードを追加すると、写真や動画などを保存できる容量を増やせます。
ただし、最近ではハイエンドスマートフォンを中心にmicroSDカード非対応モデルも増えています。
イヤホンジャックとは?
3.5mm端子を使用して有線イヤホンやヘッドホンを接続するための端子です。
イヤホンジャック非搭載モデルでは、USB Type-C接続イヤホンや変換アダプターなどが必要になります。
生体認証とは?
指紋や顔などを利用してスマートフォンのロックを解除する機能です。
主に指紋認証と顔認証があります。
指紋認証には、側面、背面、画面内など複数の方式があります。
Gorilla Glassとは?
Gorilla Glassは、スマートフォンのディスプレイなどに使われる強化ガラスです。
世代によって耐久性などが異なります。
ただし、Gorilla Glassを採用していても、絶対に割れたり傷が付いたりしないわけではありません。
スマートフォンは1つのスペックだけで判断しない
スマートフォンを選ぶときに注意したいのが、「数字が大きければ必ず良いスマホ」と考えないことです。
- カメラは画素数だけでは決まらない
- バッテリー持ちはmAhだけでは決まらない
- 処理性能はCPUのコア数だけでは決まらない
- 充電速度は最大W数だけでは決まらない
- ディスプレイ品質はリフレッシュレートだけでは決まらない
スマートフォンを選ぶ際は、価格や用途とのバランスが重要です。
ゲームをほとんどしない人に最高性能のSoCが必ず必要なわけではあなく、写真をあまり撮影しない人ならカメラ性能を最優先する必要もありません。
当サイトでは、単純なスペック数値だけでなく、「実際にどんな人に向いているのか」という視点も含めてスマートフォンを比較しています。
まとめ
スマートフォンには多くの専門用語がありますが、すべてを細かく覚える必要はありません。
特にスマートフォン選びでは、以下の項目を覚えておくと比較しやすくなります。
- SoC:処理性能
- RAM:アプリを動かす余裕
- ストレージ:データを保存できる容量
- リフレッシュレート:画面の滑らかさ
- FeliCa:おサイフケータイ対応
- IP等級:防水・防塵性能
- OIS:カメラの手ブレ補正
- mAh:バッテリー容量
- W:充電性能
スペックの意味が分かるようになると、「高いスマホ=自分にとって良いスマホ」ではなく、「自分の用途に必要な性能を持ったスマホ」を選びやすくなります。
このページでは、当サイトの記事で使用するスマートフォン関連の専門用語を今後も随時追加・更新していきます。