同じような価格帯のXiaomi 12T pro(以下12T)と、ゲーミングスマホのBlack Shark 5 pro(以下5 Pro)のスペックを比較しています。
ゲーミングスマホと普通にスマホ、優れているのはどっち?
Xiaomi 12T proが優れている点
Black Shark 5 proが優れている点
価格差ほどの性能差は無い
価格差の9千円はストレージの容量差であり、ストレージ容量が同じと仮定した場合、同じような価格になります。
ここからは2機種の違いを項目別に見ていきますが、変更点のみ解説していきます。
外観
両機種共にセンターパンチホールを採用しており、ディスプレイ面だけを見ていると機種の判別ができません。
背面のカメラ位置は同じで、ロゴの位置が違っています。
ロゴとFelicaマークのみの12Tに対して、5 proは機械的な模様が特徴的です。
12Tの本体色がブルー・ブラックの2色で構成しており、5 proはブラックのみになります。
本体色の選択肢が少ないことは残念です。
5 proにはゲーミングスマホに相応しい、ポップアップトリガーを搭載しています。
普段は本体内部に入っているLRボタンが、使用時に本体外部に出てくる仕様です。
ポップアップトリガーを搭載することで普段使いで邪魔になるLRボタンが無く、外観もスッキリしています。
スペック
Xiaomi 12T pro | Black Shark 5 pro | |
---|---|---|
本体 | ||
SoC | Snapdragon 8+ Gen 1 | Snapdragon 8gen 1 |
サイズ | 163×76×8.8mm | 163.9x76.5x9.5㎜ |
重量 | 205g | 220g |
ディスプレイ | ||
ディスプレイサイズ | 6.7インチ | 6.67インチ |
パネル種 | 有機EL | 有機EL |
解像度 | 2712×1220 | 2400×1080 |
リフレッシュレート | 120Hz | 144Hz |
タッチサンプリングレート | 480Hz | 720Hz |
記憶領域 | ||
メモリ | 8GB/8GB | 12GB |
ストレージ | 128GB/256GB | 256GB |
micro SD | なし | なし |
カメラ | ||
背面メインカメラ | 200MP | 108MP |
超広角カメラ | 8MP | 13MP |
マクロカメラ | 2MP | 5MP |
前面カメラ | 20MP | 16MP |
ネットワーク | ||
3Gバンド | 1/2/4/5/6/8/19 | 1/2/4/5/6/8/9/19 |
4Gバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/13/ 17/18/19/20/28/38/39/ 40/41/42 | 1/2/3/4/5/7/8/12/17/ 18/19/20/26/28/34/38/ 39/40/41 |
5G Sub6 | 1/3/28/41/77/78 | 1/3/5/8/28/41/77/78/79 |
WIFI | 802.11 a/b/g/n/ac/ax | 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
SIM | nanoSIM/eSIM | nanoSIM/nanoSIM |
機能 | ||
生体認証 | 顔認証/画面内指紋認証 | 顔認証/側面指紋認証 |
防水/防塵 | IPX3/IP5X | IPX2/なし |
イヤホンジャック | なし | なし |
Felica | あり | なし |
スピーカー | デュアル | デュアル |
バッテリー | ||
バッテリー容量 | 5000mAh | 4650mAh(デュアルバッテリー) |
充電速度 | 120W充電 | 120W充電 |
ポート | USB TypeC | USB3.1 TypeC |
価格 | 10,9800円 | 118,800円 |
付属品
Xiaomi 12T pro
USB Type-Cケーブル・ACアダプター・保証に関するお知らせ・クイックスタートガイド・ソフトケース・SIM取り出し用ピン・スクリーンプロテクター
Black Shark 5 pro
ACアダプター(120W)・USBType-Cデータケーブル・SIM TrayEjector・保護ケース・スクリーンプロテクター・クイックスタートガイドACアダプタ・ロゴステッカー
5 proにロゴステッカーが付属している点のみが違いです。
最低限必要なものが揃っており、特に購入すると数千円はする120W対応ACアダプターが付属している点は嬉しい限りです。
本体
SoCの性能差は大きくない
両SoC共にAnTuTuベンチマーク Ver.9で100万点前後のスコアがあり、12TのSnapdragon 8+ Gen 1は5万点ほど高くなっています。
AnTuTuベンチマークで100万点クラスになると、動作しないアプリがなく、全てのゲームが最高画質で遊べると言っても過言ではありません。
そのため5万点の差を体感することは難しく、差を体感するにはベンチマークぐらいしかありません。
冷却性能の差は歴然
5 proの方が液冷システムのベイパーチャンバーの面積が広く、冷却性能は12Tより高くなっています。
普通のスマホにしては12Tの冷却性能は高いほうですが、ゲーミングスマホには及びません。
SoCの発熱により処理が低下しないようにするため、冷却性能は重要になってきます。
15グラム差の本体重量は大きい
200グラム前後の本体重量の場合は、5グラム差でも実際に持ってみると重量差が分かります。
15グラム差になると、かなり重くなったと思える重量で、長時間利用すると腕の疲れ具合が変わるほどです。
軽いケースを利用することで対策することもできますが、選べるケースの種類が限られくる点がデメリットになります。
SoCの性能に大きな差がない場合は冷却性能が重要となり、Black Shark 5 proの冷却性能は優れています。
15グラムの本体重量が許容できるかが、Black Shark 5 proの購入ポイントでしょう。
ディスプレイ
若干大きな12Tのディスプレイ
12Tのディスプレイが0.03インチ大きくなっています。
0.03インチの差は大したことがなく、誤差程度の差と言えるでしょう。
解像度の違いは無いに等しい
6.7インチのディスプレイで多少解像度が高くなっても、大したメリットはありません。
解像度が高くなる事で、画像や文字が小さく表示されるデメリットの方が大きく、小さくて見にくい場合は拡大するため、高解像度のメリットが無いと言えるでしょう。
メリットが少ないリフレッシュレート
120Hzのリフレッシュレートで残像が見える場合があるかも知れませんが、多くの場合は120Hzで十分だと言えます。
144Hzのリフレッシュレートは残像が見える可能性がかなり低くなるため、良いと言える反面、デメリットは消費電力が増えることです。
タッチサンプリングレートの差は無いと言える
480Hzと720Hzのタッチサンプリングレートでは1.5倍の差があります。
しかし、1秒間に720回ディスプレイにタッチすることができますか?
多分無理だと思えるため、480Hzで十分でしょう。
メリット・デメリットが少なく、どちらの機種も同じような感じになっています。
記憶領域
メモリーの差は数年後に変わってくる
メモリー8GBの場合、数年はメモリー不足で困ることがありません。
しかし、5年後は8GBで困る可能性があるかも知れないため、長く利用する場合は12GBが欲しいところです。
ただ、同じ機種を5年も利用すると、メモリー不足の前にバッテリー劣化が大きな問題になります。
そのため、機種を買い換える可能性が高く、5年以上利用しない場合はメモリー8GBで十分でしょう。
ストレージを選べる12T
128GB/256GBのストレージが選べる12Tですが、256GBモデルはソフトバンクの専売です。
そのため、ソフトバンクによる手続きが必要になり、購入に手間がかかるデメリットがあります。
5 proは256GBモデルのみで、グローバル版には8GB/128GBモデルがあり、日本販売モデルには256GBモデルのみのところが不満点です。
256GBモデルのみのBlack Shark 5 proと、256GBモデルがソフトバンク専売のXiaomi 12T pro。
どちらも一長一短があり、ストレージに関しては必要な容量を選ぶ方が良いでしょう。
カメラ
過度な期待を持たないほうが良いカメラ
Xiaomiのカメラは画素数が増えても同じような画質になるため、同じようなカメラのチューニングを行っているように思えます。
そのため、12Tも画素数が多いだけで、前機種のXiaomi 11T proと同じようなチューニングと思えるため、Xiaomi 11T pro並の画質になるでしょう。
5 proのUIはmi UIをカスタムしているため、同画素数のXiaomi 11T pro並の画質だと思います。
画素数が違うだけで、同じような画質だと思えます。
ネットワーク
eSIMのみの違い
SIMを差し替えること無く、複数のキャリアを切り替えができるeSIM。
SIMの切り替えが容易なeSIMにもデメリットがあり、大手MVNO以外は対応していません。
国内4キャリアとサブブランドには対応していますが、MVNOでeSIMを利用する場合は注意が必要になります。
通信キャリアを選ばないBlask Shark 5 pro。
MVNOでの利用に注意が必要なXiaomi 12T pro。
両機種共に、国内4キャリアで利用可能なため、日本国内での利用に不自由はありません。
機能
好みで別れる指紋認証
指紋認証速度と認証精度が、側面指紋認証より劣る画面内指紋認証。
電源スイッチがむき出しになる側面指紋認証はデザイン面で劣り、保護ケースは電源スイッチ部が凹んでいるため違和感があります。
反面、画面内指紋認証は本体全体を保護ケースで覆うことができるため、デザインに違和感がありません。
指紋認証については、機能かデザインかは好みの問題で、一概にどちらが良いとは言えません。
似たような防水性能
防水性能には8段階あり、数字が大きくなるにつれ性能が上がっていきます。
12Tは下から3番目の防水性能で、雨に濡れても壊れない程度の性能です。
5 proは12Tより1段階下の性能になっており、雨の振り方次第では壊れない程度の性能のため、非防水と思った方が良いでしょう。
防塵性能の差は歴然
防塵性能がない5 proに対して、6段階中5番目の防塵性能を有している12T。
5番目の防塵性能は完全防塵性能ではないものの、完全に近い防塵性能を有しています。
おサイフケータイは必要?
Felicaを搭載することでおサイフケータイが利用できます。
スマホをかざすだけで決済ができるおサイフケータイは便利ですが、昨今はバーコード決済のみの店舗も増えてきており、おサイフケータイが無くても不自由することが無くなりました。
Felicaのコストは約1万円と言われており、Felicaのコスト分が価格に反映されています。
おサイフケータイを利用しない場合は、利用しない機能に1万円多く支払うことになり、Felica非搭載機を選ぶのも1つの手段です。
防塵性能の差が大きく、その他は好みと利用環境によって変わってきます。
バッテリー
バッテリー容量の差は無い
バッテリー容量に300mAhの差があります。
12Tのバッテリー持ちが若干良くなる程度のため、バッテリー容量の差を考える必要はありません。
バイパス充電は最強?
充電を行いながらスマホを操作する際にバッテリーへ充電を行わず、直接スマホ本体へ給電を行うバイパス充電に5 proは対応しています。
バイパス充電に対応することでバッテリーへの負担が軽減され、バッテリーの寿命が長くなるメリットがあります。
バイパス充電が大きな違いで、全てのスマホに欲しい機能です。
総括
全体的に見て同じような基本性能になっています。
機種固有の部分に違いがあり、FPSのようなゲームを遊ばない場合はXiaomi 12T proが良く、LRボタンが必要なゲームを遊ぶ場合はBlack Shark 5 proが良いです。
ただ、Black Shark 5 proを普段使いにすると本体重量が重く、本体重量が許容できる場合になります。
ボタン操作の多いゲームを遊ぶ場合は、Xiaomi 12T proは不向きです。
ゲーム以外の用途の場合はXiaomi 12T proが優れており、Black Shark 5 proでも可能ですが220グラムの本体重量がネックになってきます。
一長一短がある両機種ですが、使用用途に合った機種を購入することが一番だと言えるでしょう。